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Photo:水戸芸術館タワー
21世紀の街づくりへの「決意」を込めた塔
水戸芸術館タワー
不思議な形状の塔として、水戸芸術館タワーがお目見えして、はや20
年が過ぎた。今では、水戸の象徴的な建物として、だれもが知るものと
なったが、その塔に込めらえた本来の思いは何だったのか。「水戸」を
見つめ、人を見つめてきた、水戸ならではのシンボルをたずねてみた。

初めて、水戸芸術館のタワーに登ってみた

ちょっと小さめの丸型エレベーターに乗ること、1分30秒。エレベーターの中から見るタワーの複雑な骨組みを見送りながら、展望室に到着する。


 千波湖から、那珂川から、水戸の街を一望するとき、今や水戸のシンボルタワーとしてその景観にすっかり溶け込んだ塔は、まるで多角形の折り紙を積み重ねたような独特のデザインだ。


 水戸市制100周年を記念して建てられた塔の高さは、100メートル。1辺9・6メートルの正四面体28個が、規則的に積み上げられている。表面は57枚の正三角形のチタンパネルに覆われている。天に伸びるらせん状の形は、過去から未来へ、伝統から創造へを象徴しているという。


86・4メートルのところにある展望室。潜水艇にあるような大小さまざまな丸窓が四方にあり、水戸の中心から街を一望できる。千波湖の向こうに県庁、那珂川の河原からひたちなかの街並み、天気のいい日には筑波山まで見えるという。茨城大学はあのあたりだろうか・・・。おっと、芸術館の広場がすぐ足元に!プチ高所恐怖症の小生には、かなり圧巻だった。

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水戸芸術館の広報担当・鴨志田和子さんは、

 「ゴールデンウイークや夏休みなどが一番賑わいますね。カップルに家族連れの方々。団体のお客様もたくさんいらっしゃいます。市外のお客様に芸術館へのアクセスを説明するときなども〝シンボルタワーを目印にお越しください"とご案内できるくらい、〝水戸の塔"になりつつあるように感じています」

 と、水戸のシンボルを紹介する。年間で14,000人の人々が水戸の光景をここから眺める。水戸を訪れた人には欠かせない魅力的なスポットだ。

 設計は、建築家・磯崎新氏。美術館・コンサートホール・劇場からなる芸術の複合施設である水戸芸術館の建築は、当時のありきたりな箱物行政に批判的だった磯崎氏にとって、西欧都市の市民が行き交うような広場の情景を水戸に創りたいと考えた故佐川一信・水戸市長の構想は、「ひとつの驚き」だったという。

芸術館の塔について、佐川氏は

 「建築物や塔の持つ社会的、歴史的意味とか、建物が都市をつくる決定的な役割を果たし得るのだ・・・・芸術館もそういうものにしようと思ったのです」
 
 とその構想を語る。水戸芸術館の開館にあたってのコメントにも、「シエナの塔のように、水戸市民が新しい街づくりへの決意を宿したものであり、街並の変化のシンボルとなろう」とあるように、この塔に氏が込めた思いは、街づくりへの覚悟と、都市としてのあらたな歴史を踏み出す水戸の記念すべき証であったことがうかがえる。
 この秋、取材でたずねるたびに、塔の前にある広場では、さまざまなイベントが開かれていた。台風の影響で会場を移動して開かれた「アンサンブルズ・パレード」あり、「魅せるいばらき」では世界の紅茶が紹介されていた。
 取材撮影当日は、結婚式で愛の誓いを立てるカップルがいた。12月12 日には「水戸の街に響け!300人の《第九》2010」も予定されている。そんな街の交流を、この20年、この塔は眺めてきた。現代都市・水戸の証人なのである。

 冬、クリスマスのシーズンに合わせてライトアップされる。その名を「スターライトファンタジー」。すっかり恒例となったイルミネーションのイベントも今年で15回目。12月1日から1月15日まで、冬の吐息を温めてくれるイルミネーションが灯される。

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